
「子どもが食物アレルギーだから、口にするものにはかなり神経を使う。」
「アレルギーっ子がいても、もっと自由に外食したい。」
とこのように思っている人はいませんか?
私も実は、そのうちの一人でした。
三男が食物アレルギー。
食べられなかったものが少しずつ食べられるようになった3歳に、もう外食も大丈夫だろうとレストランに連れて行ったところ…
初めて口にする食材をうっかり食べさせてしまい、アナフィラキシー!慌てて病院へ駆け込んだ経験があります。
子どもにアレルギーがあっても、外食を安全に楽しみたい。
そんな悩みを抱えていた私ですが、今では悩みから解放され、アレルギー持ちの子どもがいても安心して外食を楽しむことが出来ています。
なぜ、私が悩みから解放されたのか。
それは、以下のことを経験により学んだからです。
- 初めて食べる食材は1さじずつから与える
- アレルギー症状の出やすい食材をきちんと把握しておく
- 食物アレルギーの症状が出たときの対応を頭に入れておく
この3つをしっかりと抑えておけば、お子さんにアレルギーがあっても、いざというときに慌てず対応できますし、安心して外食を楽しめるようになります。
結果的に、「アレルギーを気にせず外食を楽しみたい。」「食事で神経をすり減らす生活から解放されたい。」という悩みは、限りなく減らせることが出来ます。
今回の記事は、
- 子どもにアレルギーがあっても、もっと自由に外食したい。
- 子どもと食事を気軽に楽しみたい。
そんなお子さんを持つ人には、特に読んでほしい内容です。
では、外食業界の現状を踏まえた上で、3つの解決策を説明していきます。
Contents
そもそも外食業界には子どもへの食物アレルギー対応制度がない
飲食店でのアレルギー対応については、検索すると大体以下のようなことが書かれています。
- 加工食品には食物アレルギーを引き起こす7品目の表示が義務付けられているが、飲食店には料理に使用する原材料の表示義務はない。
- 食物アレルギーへの対応は、各飲食店の自主的な取り組みに委ねられているのが現状である。
- 中には食物アレルギーに対応できないという理由で、入店を断るケースもある。
今の外食業界の現状を考えると、食物アレルギーを持つ人が外食するには、自己防衛するしかないということなんですね。
そこで、アレルギーっ子を持つ親が外食時にどのようなことに気をつけたら良いのか、「子どもが食物アレルギーを引き起こさないための予防法」「アレルギーを発症したときの対処法」について解説していきます。
初めて食べる食材は1さじずつから与える
外食は、美味しそうなメニューが豊富にあり、食欲を誘いますよね。
息子も、今まで一度も食べたことのない「イクラ」がトッピングされたメニューを食べたがりました。
しかし、それを口にしたことにより、アナフィラキシーを起こす結果に。
”ちょっとくらい大丈夫だろう”という気の緩みから、親である私もそのまま注文してしまい、大変な思いをすることになりました。
どの食材も、現代ではアレルギーの原因となり得るので、初めての食材は少しずつ与えることが原則。
特にアレルギー体質の子にとっては、離乳食の基本を忠実に守って与えることが大切です。
外食でやむを得ず初めての食べ物を与えるときは?
初めて食べるものは”茶さじ1杯分”から始めるのが正しいあげ方とされています。
心配なら、耳かき1杯分からでもOKです。
とにかく、ごく少量をあげるのが基本です。
1さじ分以外にも気を付けたい外食の楽しみ方
他にも気をつけたいことは3つ。
- 十分に加熱して消化しやすくする。
- 体調の良いときにあげる。
- 初めての食材は平日昼間の時間帯に試す。
アレルギー症状の出やすい食材をきちんと把握しておく
アレルギーの原因になる物質(たんぱく質)を”アレルゲン”といいます。
どれくらいのアレルゲンで反応するのかは、人によって違います。
また、その日の体調でも変わってくるでしょう。
そうなってくると、親としては、「この食材は大丈夫だろうか。もしアナフィラキシーを起こしたら…」と、怖くなってくるのです。
でも、出来るだけ色んな食材が食べられるようになってほしい。
ジレンマとの戦いです。
ただ、様々な研究でどの食材がアレルギーが出やすいのか、ある程度はわかってきています。
そこで一つの目安になるのが、”アレルゲン表示”です。
ファミレスなどではアレルゲン表示で対応しているところが多い
加工食品や添加物については、重症度が高い、あるいは、症例数が多い7品目を「特定原材料」として表示されることが義務付けられています。
表示義務のない外食産業では、加工食品の表示制度に基づいたアレルゲン表示を行うケースが多く見られます。
また、義務ではないけれど、表示することが推奨されている「特定原材料に準ずるもの」も20品目あります。
特定原材料7品目の語呂合わせ「底から煮えた」
アレルギーが出やすい食材は、親としてぜひ覚えておきたいところ。
しかし、一度覚えてもすぐ忘れてしまうのが正直なところです…。
そこで、語呂合わせの登場!
覚え方は、「底から煮えた」です。
こ → 小麦粉
ら → 落花生
に → 乳
え → えび
た → 卵
周りに迷惑をかけないために食物アレルギーの症状が出たときの対応を頭に入れておく
これまでは、どちらかというと予防の観点からお話をしてきましたが、緊急時の対応をしっかり覚えておくことも重要なことです。
緊急性の高い症状を覚えておく
アレルギーが出たときは、「緊急性が高い症状がある場合にはすぐに救急車を呼び、エピぺン(アドレナリン自己注射薬)を携帯しているときには速やかに使用すること」が、正しい対応と言われています。
では、緊急性の高い症状とはどんなものか。
以下の症状に一つでも当てはまれば、救急車を呼びエピペンを使用するのが望ましいです。
【消化器症状】
繰り返し吐き続ける
持続する強い(がまんできない)おなかの痛み【呼吸器症状】
のどや胸が締め付けられる
声がかすれる
犬が吠えるような咳
持続する強い咳
ゼーゼーする呼吸
息が出にくい【全身の症状】
唇や爪が青白い
脈を触れにくい、不規則
意識がもうろうとしている
ぐったりしている
尿や便を漏らす
緊急時対応マニュアルを携帯しておくのも一つの方法
ただ、これだけ知識があっても、アナフィラキシーを起こしている子どもを目の前にするとパニックになって、頭が回らないものです。
そこで、マニュアルがあると大変便利です。
以下は、独立行政法人 環境再生保全機構が作成した緊急時の対応マニュアルです。
- 緊急性が高いかどうかの目安
- アナフィラキシーを起こした時の対応法
- 救急車を呼ぶときに何を伝えればいいか
などが書いてあります。
コピーをして、自宅用・お出かけ用と持っておくと、不安も少しは軽減されると思いますよ。
まとめ
上記の3つのことを抑えておけば、「アレルギーを気にせず外食を楽しみたい。」「食事で神経をすり減らす生活から解放されたい。」という悩みは、限りなく減らせることが出来ると思います。
飲食店側でアレルギー対策を完璧にすることは難しいですから、自分たちでしっかりと予防法を考えてみると良いですよ。
特に、出先での食事について調べたい!と思った方は、時間のある時に情報収集しておくのも良いですね。
有名なチェーン店なら、どんなメニューを選べばいいのかHPなどで確認できます。
よく行くご近所のお店も事前に聞いておくと、いざお出かけの時に下調べする手間が省けます。
下記の本は、全国のレジャー施設や外食チェーン店で提供されている、食物アレルギー対応メニューが紹介されていますよ。
いざというときのため、全国のアレルギー対応病院リストが掲載されているのも親切です。